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広いニーズに親しまれる団地を目指す

CREATOR’S VOICE

建築家 京智健氏インタビュー

京智健氏
プラン4間取り

※間取図は、計画段階のものであり多少変更になる場合があります。

プロポーザルに応募した動機を聞かせてください。

団地改善に取り組む課題として、子育て世帯が対象の団地再生であったことに共感し、応募するに至りました。
民間マンションのリノベーションでなく、団地が現在抱えている問題を把握し、社会や地域にとって良い影響を与えられるような住戸の実現ができればと考えています。

団地に対してどのようなイメージをお持ちでしたか?

かつてのニュータウン開発で、茶山台のような緑豊かな台地では団地住棟が多く建てられています。
長く住んできた住人達の高齢化が進み、丘陵地のような環境では年々に暮らしづらい状況になっているかと感じています。
今回のように若い子育て世帯を迎え入れることで、長く住んできた住民たちとの助け合いの中で、新たな地域コミュニティが育まれるように住戸の魅力を引き出せたらと考えています。

設計のコンセプトについて教えてください。

まず、住戸間の境界壁を撤去することで、広々とした廊下(スペース)を生み出せないかと考えました。

この住戸プランでは、それをホール廊下(フリースペース)と呼んでいますが、人を招き入れやすく、光や風の道にもなる開放的な場所となっています。
ホール廊下(フリースペース)は各居室間と一体的に使えるようにつながっているので、気軽に閉じたり開いたり、ライフスタイルに応じて柔軟に住まえるように考えました。

プラン3のほうでは、屋外バルコニーがホール廊下(フリースペース)の延長としてあり、ウッドテラスとすることで行き来しやすい場所となっています。

プラン3間取り

※間取図は、計画段階のものであり多少変更になる場合があります。
※間取りの使い方は1例です。室内の使い方のバリエーションは様々にあります。

どのような子育て世帯をイメージ・ターゲットとしましたか?

茶山台の豊かな環境の中に溶け込みやすい住戸をイメージしたので、その環境に開きながら、のびのびと明るく子育てしたいというご家族をイメージしました。
子供たちもこの場所で、いろんな身近な人達とふれあいながら豊かに育っていくと考えます。

ライフステージの変化に合わせて住み続けるためにどのような工夫をされていますか?

本来の住戸では、田の字に仕切られたプランで計画しているのに対して、この住戸では間仕切りという存在は、緩い仕切りとして設計しています。
そうすることで、風と光も取り込みやすく、ライフステージの変化にも対応しやすい住戸になると考えました。

その他こだわったことはありますか?

居室には吉野産の杉材フローリングを使用し、暮らしにやさしい自然素材を取り入れています。
また、キッチンからダイニング、リビングへと連続し、家族間でも交流しやすいように計画しました。
一体的に利用できるリビングダイニング、壁に沿って収納スペースを十分に確保します。

どのような方に住んでもらいたいですか?

この住戸には余剰スペースとして大きく廊下を設けていますが、人との交流が好きなご家族や、いろんな方を気軽に招き入れられるように計画しました。
もちろん、ご家族で子供たちと遊びやすいスペースとして活用できます。
オープンに明るい環境で生活したいと考えるご家族に住んでもらえると嬉しいですね。

インタビュー

団地で行うリノベーションの可能性について考えを聞かせてください。

団地は一般の集合住宅でなく、茶山台団地ではイベント開催や、子供たちの集会所(茶山台としょかん)があるなど地域特有のコミュニティが育まれており、親しみやすい環境が魅力的だと感じています。
昨今は建物と共に人も年を取り、今回の改善事業では子育て世帯を迎え入れ、広いニーズに親しまれる団地としての改善を目指しています。
そうした中で、今回の住戸改善に関わる機会を得られたことに設計者として、団地が若返る一つのきっかけとして大きな期待をもって貢献できればと感じています。

プロフィール
建築家 京智健氏 プロフィール

京智健建築設計事務所代表/建築家
住宅から商業施設まで幅広く手がけています。
また京都造形芸術大学、成安造形大学、摂南大学の非常勤講師を務めています。

HP:http://www.tkaa.info/index.html